
借金問題解決ケース~個人再生の場合
債務整理をするかどうか迷っている方の中には、住宅ローンを払っている家も手放さなければならないと思い込んでいる方も多いようですが、必ずしもそうとは限りません。住宅を手放さずに債務整理ができる方法が、個人

借金が重なって、返済困難になるのが多重債務。多重債務になるケースというのは、必ずしも消費者金融からの借入が発端でないこともあります。今回は、クレジットカードのリボ払いをきっかけに借金がふくらんでしまったケースをご紹介します。
Aさんは、20代で独身の会社員。社会人になって以来、買物の際にクレジットカードを利用することが多く、ずっとリボ払いで気にせずに使っていました。消費者金融ではないので借金という認識もなく、毎月の支払いも変わらないので安心しきっていたAさん。けれど、気が付けばクレジット会社3社の利用残高が200万円を超えていました。
Aさんはその後も、毎月8万円の返済でなんとか乗り切っていましたが、半年前から支払いが滞るようになりました。返済に充てるためにやむなく消費者金融から借入を繰り返していましたが、借金が減ることはなく、ついには5社からの借入の合計が335万円に。新規のカードも作れない状況になって困り果てたAさんは、相談に訪れました。
クレジットカードのリボ払い(リボルビング払い)とは、支払残高に応じて、毎月あらかじめ決められた額をクレジット会社に支払う方法になります。一見便利なようですが、これが大きな落とし穴。リボ払いの手数料は、利息に換算して年15~18%となっており、サラ金と変わりません。
リボ払いでは毎月の返済額を少なめに抑えることができますが、毎月の返済額が少なければ、そのほとんどが利息分ということになり、元本は減っていきません。また、リボ払いを利用している側も借金であるという認識が薄いため、うっかり借金がふくらんでしまう可能性があります。
1. Aさんが相談のため来所。債務整理を受任。
2. 司法書士より各消費者金融に受任通知を発送。取引履歴の開示を請求。
3. 取引履歴をもとに利息制限法の上限金利に引き直し計算して借金の残額を確定。
4. 任意整理の方向で進めることに決定。
5.残った借金の利息・損害金をカットし、元金を分割返済する形で各社に返済計画を提出。
6. 返済計画に従って、一定額を毎月支払うことで各社と和解成立。
任意整理を行ったAさんは、借金の利息を免除してもらった上で、今後は毎月支払い可能な額を支払うことで各社と合意することができました。精神的に追い詰められた状態だったAさんですが、会社を辞めることもなく、すべての負債を整理することができたので、安心して日常生活を送れるようになりました。
なお、任意整理を行った場合には、本人の信用情報として残りますから、一定期間新規の借入が困難となります。Aさんの場合も、完済後5年程度はクレジットカードを作ったり、住宅ローンを組んだりすることができないと考えてください。
Aさんはカードを安易に利用してしまったことを反省し、この機会に生活を立て直したいと、笑顔を浮かべていました。
60日程度
手続き費用:1社につき2万円×5社=10万円
諸経費:1社につき数百円×5社
クレジットカードは便利ですが、うっかりしていると支払いが増えてしまって返せなくなる可能性があります。買物にクレジットカードを使うときには、計画的な利用を心がけましょう。もし借金が膨らんで返済が困難になったなら、早めに専門家に相談し、債務整理を検討するのがおすすめです。