コラム

備えのために……成年後見制度とは

一人の暮らしに不安……見守り契約とは

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一人暮らしのお年寄りなどは見守り契約を結ぶことにより、自分の判断能力や生活の状況を第三者に定期的に確認してもらうことができます。
任意後見人になってもらいたい人と見守り契約を締結しておけば、判断能力が低下してきたときにスムーズに任意後見を開始することができます。

見守り契約とは

将来認知症になったときに備えて、任意後見制度の利用を考える人も多いと思います。けれど、せっかく任意後見契約を結んでおいても、判断能力が低下したと見きわめてくれる人がいなければ、任意後見がいつまで経っても開始しないことが考えられます。
特に、家族のいないお年寄りなどは、判断能力がなくなっても、すぐに気づいてもらえないこともあります。

こうした事態に備えて、任意後見契約と同時に、見守り契約を締結することがあります。
見守り契約とは、任意後見が開始するまでの間、任意後見の受任者が本人と定期的に連絡をとり、本人の安否や心身の状態などを直接確認するという契約です。

見守り契約を締結しておけば、見守り中に本人の判断能力の低下が見受けられた場合に、すぐに任意後見開始の手続を取ることができます。

見守り契約で行ってもらえることは?

見守り契約は法律上特に明記されているものではありませんので、通常の委任契約になります。そのため、見守り契約の内容も、当事者間で自由に決めることができます。

一般的には、受任者に定期的に自宅を訪問してもらったり、電話をかけてもらったりするよう決めておくケースが多くなっています。健康診断や病院で診察を受けるときの付き添いなどをお願いすることもできます。

見守りを依頼した本人は、受任者と定期的に連絡を取ることができますから、自分の健康状態や生活の状態を把握してもらうことができます。そして、判断能力が低下したときには、速やかに任意後見を開始してもらうことが可能になります。

なお、見守り契約は、任意後見契約のように必ず公正証書にしないといけないわけでもありませんが、通常は、任意後見契約とセットで公正証書にします。
また、見守り契約では報酬について取り決めするのが一般的です。見守りの報酬はそれほど多額ではありませんから、委任者が年払いで支払うことが多くなっています。

見守り契約のメリットとデメリット

見守り契約を締結しておけば、本人と受任者との間で定期的に連絡を取り合いながら信頼関係を保つことができるため、スムーズに任意後見に移行することができます。
特に、一人暮らしのお年寄りの場合、何かのときに相談できる人がいるということは非常に心強いですから、見守り契約を締結するメリットは大きくなります。

見守り契約のデメリットとしては、後見制度のように公正証書にしたり登記されたりはしませんので、社会的信用があまりないという点があります。また、通常の委任契約になりますから、後見制度のような監督人がつかず、受任者の権限濫用につながる可能性もないとは言えません。
と言っても、見守り契約と任意後見をセットにしておけばこうしたデメリットを気にする必要はそれほどありませんから、任意後見契約時に見守り契約を一緒に締結する意義は大きくなります。