コラム

備えのために……成年後見制度とは

もしもに備えて……成年後見制度とは

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成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分となった成年者を保護するために作られた制度です。
成年後見制度を利用することにより、判断能力が低下した人でも契約などの法律行為をスムーズに行うことができます。

成年後見制度とは

現代は少子高齢化が進んでおり、高齢者の割合は年々増えています。高齢になると身体能力が低下するだけでなく、判断能力も不十分になってしまい、認知症と呼ばれる状態になることもあります。

認知症などで判断能力が低下すれば、日常の家事などに支障が出てしまうこともありますが、何よりもお金を管理したり、様々な契約をしたりするのに大きな不安が生じるようになります。例えば、自分にとって不利な契約でも、よく分からないまま結んでしまうことがありますから、悪徳商法などの被害にも遭いやすくなります。

そこで、認知症などにより判断能力が十分に行えなくなった人が財産上の不利益を受けないよう、成年後見制度が設けられています。

成年後見制度では、成年後見人などの援助者がついて、本人の財産管理、身上監護をサポートします。なお、財産管理とは本人の財産を維持、管理することで、身上監護とは主に本人の生活で必要となる衣食住などの手配を行うことです。

成年後見制度にはどのようなものがある?

成年後見制度には、大きく分けて法定後見制度と任意後見制度があります。
法定後見制度は、判断能力が低下した人の親族などが家庭裁判所に申し立てることにより、裁判所が本人の援助者を選任する制度です。援助者は、本人の判断能力の程度により、成年後見人、保佐人、補助人と分かれます。

一方、任意後見制度は、本人が判断能力がある間に、自分で後見人の候補者を選んでおく制度です。判断能力があるうちは法定後見制度を利用することはできませんが、任意後見制度を利用すれば将来の判断能力の低下に備えることができます。
任意後見制度では、本人は後見人の候補者に自分の財産管理等を委任するという任意後見契約を締結しておかなければなりません。任意後見契約の効力は、将来的に本人の判断能力が低下したときに生じることになります。

成年後見制度のメリット

成年後見制度を利用することによって援助者(成年後見人、保佐人、補助人)がつけば、援助者が判断能力の低下した本人に代わって契約を行うことができます(保佐人・補助人については、代理権を有する場合のみ)。成年後見人等がついていれば、認知症になっても介護サービスを受ける契約や老人ホームに入居する契約をスムーズに結ぶことができます。

また、成年後見人等になるための資格には制限はありませんから、本人や家族が信頼できる人を選ぶことができます。法定後見の場合には裁判所が援助者を選任しますが、候補者を指定して申し立てができるので、希望の人に後見人等になってもらえる可能性が高くなっています。

成年後見制度にデメリットはある?

成年後見を利用することにはいろいろなメリットがありますが、成年後見制度にデメリットがないわけではありません。

1つには、成年後見人等の選任の手続には時間がかかってしまうということがあります。成年後見開始の申立をして実際に後見が開始するまでには少なくとも3~4カ月程度はかかりますから、急いでいるときにすぐに利用できるというわけではありません。

また、成年後見人等が選任されると、本人は医師や弁護士など一定の資格につくことができなくなりますから、これもデメリットと言えます。

なお、従前は成年後見人がつくと本人が選挙権を失うという制限がありましたが、平成25年の法改正によりこの制限はなくなっています。