コラム

相続のご相談解決例

相続問題解決ケース~義母 ケース

mother-in-law

相続の際、亡くなった人に対して特別な貢献をした相続人は、寄与分としてその寄与に見合った財産を取得することが認められています。そのため、親族の介護を献身的に行った場合には、寄与分を主張できる可能性があるのです。では、義理の親の介護の場合、寄与分の主張は認められるのでしょうか? ここでは、義理の親の介護を行ったAさんのケースをご紹介しましょう。

ご相談内容

60代の主婦Aさんは、30代の頃に子ども1人を連れて最初の夫と離婚しましたが、40代のときに再婚。新しいご主人は初婚でした。ご主人のお父さんは既に亡くなっていましたが、お母さんがおり、お母さんと一緒に4人で同居生活を始めました。なお、Aさんの子どもは、Aさんの新しいご主人とは養子縁組していません。

再婚して間もない頃からご主人のお母さんには介護が必要になり、以降Aさんはずっとお義母さんの面倒を見てきました。ところが、近年、Aさんのご主人も悪性のがんが見つかり、余命半年と宣告されてしまいます。

そうした中で遺産相続の話になり、ご主人は自分の財産をAさんに全て譲る旨の遺言を書きます。やがて、ご主人は亡くなりました。Aさんは夫の死後、10数年にわたり引き続きお義母さんの面倒を見てきました。そして先日、そのお義母さんもついに他界したとのことです。

しかし、お義母さんの葬儀等が一段落した時、ご主人の兄弟2人から連絡があり、「Aさんには相続権がない」と言われてしまいます。Aさんは「自分は10数年間にわたり義母の介護をしていたので相続権を主張できるのでは?」と思い、相談に来られました。

今回のポイント

このケースでは、Aさんのご主人の相続と、ご主人のお母さんの相続は分けて考える必要があります。

まず、Aさんのご主人の相続に関してですが、ご主人とAさんの子は養子縁組をしていないので、ご主人には子供はおらず、また、亡くなった時点ではお母さんが生きていますから、通常であれば相続人は配偶者であるAさんと、お母さんの2人になります。
しかし、今回のケースではご主人は遺言を書いていましたので、ご主人の財産は全てAさんが相続することになります。ご主人のお母さんには遺留分がありましたが、時効期間が経過しており、ご主人の兄弟から遺留分を主張されることもありません。

一方、ご主人のお母さんの相続に関しては、相続人はご主人の兄弟2人のみとなります。相続人が介護を行った場合、寄与分という形でその分多めに相続することを主張できる可能性はありますが、介護を行ったAさんはお義母さんの相続人ではありませんから、そもそも寄与分の主張はできないことになります。

ご対応の流れ

1. Aさんが来所。
2. 相続や寄与について相談を受ける。

結果

Aさんの住んでいる家はご主人名義でしたが、ご主人が遺言を残してくれたおかげで、Aさんは一人で家を相続できました。もしAさんのご主人が遺言を残していなかったら、家はお義母さんも一緒に相続することになっていたでしょう。その場合、お義母さんの持分を義兄弟が相続することになるため、問題になっていた可能性があります。

また、Aさんは、お義母さんの相続人にはならないため、寄与分の主張はできませんでした。ご主人が生きていれば、ご主人の寄与分としてAさんの貢献を評価してもらうことも考えられたかもしれません。

なお、相続人が寄与分の主張をする場合にも、子どもが親の面倒を見るのは当然のことですから、常識的な援助(例えば、親が入院しているときに世話をしたなど)をしただけではなかなか認められません。介護サービスの費用などを親が自分で負担していた場合には、寄与分の主張は困難でしょう。

対応日数

1日

費用

相談費用:5000円

義理の親の介護を献身的に行っても、相続の際に評価してもらうことは困難です。しかし、義理の親が亡くなる前に遺言書を作成すれば、財産を受け取ることも可能です。相続については複雑な問題なので、親族間で話し合うだけでなく、専門家に相談して対策を考えておくと良いでしょう。