コラム

相続について

うまく利用して節税に……生前贈与とは

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自分の財産を誰かに引き継がせたいときに、遺言や相続によって亡くなってから譲り渡す方法以外に、生きている間に贈与する方法があります。生前贈与をすれば贈与税がかかりますが、贈与税には非課税枠がありこれを上手に利用して節税することもできますので、しっかりと贈与税についての知識を持っておきましょう。

生前贈与とは

生前贈与とは、贈与者が生きている間に自分の財産を無償で他人に分け与えることです。贈与というのは、贈与者と受贈者との間の契約ですから、双方の意思が合致しなければ成立しません。遺言による贈与(遺贈)であれば、遺言者の一方的な意思で財産を譲り渡すことができますが、生前贈与の場合には必ず受贈者の承諾が必要になります。

生前贈与すれば、受贈者には贈与税が課税されます。また、不動産を生前贈与すれば、受贈者が不動産取得税や登録免許税も負担しなければなりません。

相続税と贈与税

生前贈与は、節税目的で利用されることが多くなっています。亡くなってから財産を相続すれば相続税がかかりますが、相続税は累進課税のため相続財産が大きくなればなるほど相続人の負担が大きくなります。生前贈与を行うことで相続財産を減らせば、相続人の相続税の負担を軽減できる場合があるのです。

けれど、生前贈与をすれば贈与税の課税対象になります。贈与税は相続税に比べて税率が高くなっているので、無制限に生前贈与すれば、むしろ税金の負担が大きくなってしまいます。

自分の財産を譲り渡すときには、相続税と贈与税の両方を考えて、節税になる方法を選択するのが賢い方法です。

生前贈与の控除について

贈与税の課税方法には、暦年課税と相続時精算課税の2つがあります。

暦年課税とは、1年間に贈与を受けた財産の合計額を基準に贈与税を算出するものです。暦年課税では、贈与を受けた財産の合計額から基礎控除額110万円を差し引いた残額について課税されます。

相続時精算課税は、贈与を受けたときに一定の税率で贈与税を納付し、贈与者が亡くなったときに相続税で精算します。相続時精算課税は、65歳以上の親が20歳以上の子に生前贈与するときに利用ができ、2500万円まで非課税で贈与ができます。なお、一度相続時精算課税を選択すると、同じ贈与者からの贈与は以降暦年課税を選択できなくなってしまいます。

暦年課税では、毎年110万円までであれば贈与税がかからないので、これを利用して財産を毎年少しずつ生前贈与すれば非課税で贈与ができます。贈与税は贈与をした人ではなく、贈与を受けた人ごとに計算するので、例えば毎年3人に対して110万円ずつ330万円を非課税で贈与することもできます。

ただし、この方法では、最初からまとまった金額を贈与する意図がありそれを分割しただけとみなされる可能性があります。念のため、毎回贈与契約書を作っておく、非課税枠を少し超える贈与を行って贈与税を納付しておくなどの対策をしておきましょう。また、贈与した金員は、贈与を受けた人名義の口座に入れておくだけでは足らず、贈与を受けた人自身が実際に管理しておかねばなりません。

一方、相続時精算課税を選択すれば、2500万円まで贈与税は非課税ですが、相続時に贈与した財産を贈与時の評価額で相続財産に加算するため、相続税対策にはなりません。けれど、値上がりが見込まれる財産であれば、課税価格を贈与時の評価額で固定できますから、節税になることもあります。